ペットとしての野生動物の輸入規制について
 


新しい活動方針としてペットとしての野生動物の輸入規制を働きかけたいと考えています。
日本には日本固有の、各地方にはその地域固有の生物が棲息しています。固有種の保全は、ある地域においてある特定の種類が絶滅に近いといって、日本国内の他の地域から新たに同種を導入することも真の固有種の復活にはなりません。遺伝子的な多様性が失なわれたり、混合してしまいます。

日本は小さな島国です。島国ほど外来種の侵入に脆弱であると言われています。例えばニュージーランドは日本と同じような環境を持っています。しかしその生息生物は外来種が60%を占め、固有種は外来種の影響を受けて、その生息数と生息域を狭めています。
食べ物を見てみますと、木の枝先の柔らかい若葉を食べる種類、樹木を食べる昆虫、地下に生息して根から樹液を吸入する昆虫等その食性を分け合って生活しています。この生活分野をニッチと言います。狭い島ではこのニッチが空いている場合に外来種が入り込むと競合生物がいないために、急速その生息数を増やすことができます。またニッチが重複する場合には、在来種が駆逐される可能性があります。

また、 近縁の種類では遺伝的な交雑がおこる危険性があります。
例えば、飼育施設から逃げ出したタイワンザルが日本固有種のニホンザルと混血して、ニホンザルの群れに尻尾のあるタイワンザルの特徴を持つ子孫が認められることがあり、問題になったことは記憶に新しいことです。

こうした遺伝的な混乱以外に、外来野生生物はもう一つ表に出にくい重要な問題を抱えています。それはこの生物に付着したり、または体内微生物として一緒に侵入してくることです。例えば、ハリネズミはその皮膚に日本には未発見であった真菌性皮膚炎を起こすカビの1種を持っています。ヒトへの感染例も数多く報告されています。体表に付着し吸血するダニは、その体内に多くの病原体を持っています。その中にはヒトやペットの動物に深刻な伝染病を引き起こすおそれがあります。
まだまだこの世の中には未知の病原体があり、これらが持ち込まれる可能性も否定できません。こうして見ますと、外国の野生生物を輸入することは、捕獲した現地での野生生物の減少あるいは絶滅を早めるだけでなく、輸入国の野生生物やヒトにも深刻な問題を引き起こすおそれがあるといえます。

私たち日本人の悪いところは、飼育に飽きたり面倒になるととその生物を野外に放すことです。カミツキガメが日本各地の池で繁殖していることが確認されています。ミドリガメが日本在来種のニホンイシガメやクサガメのニッチを占領して、急速の日本の在来種が減少しているのも事実です。東京の多摩川にはアマゾン原産の魚をはじめ100種類もの外来魚が生息しているという報道もあります。これらは自分が飼っていたペットを殺すのはかわいそうだと考えての行動だとは思いますが、その行動が多くの在来種の生命を奪っているのも現実であるといえます。

輸入生物の中には食料として、あるいは産業の材料として重要な資源であることでもあり、一概に輸入が悪いとは決めつけられません。しかしペットとして 野生生物の輸入を規制することは出来るはずです。

みなさんのご理解とご協力をお願いいたします。