小鳥のひなを拾わないで
 


赤裸でふ化したヒナは、巣内にとどまって親鳥の養育を受けます。
この時期は巣から落ちることは死を意味しています。そのため必死に巣材をつかんで巣にとどまっています。巣立ち直後のヒナが十分に飛行できないことは当然です。
しかし、飛ぶたびに、筋肉が発達して数日で、人には捕まらないような飛行能力を獲得します。そして巣立ちしてから、親の後をついて行動することで、餌の取り方、危険からの回避、仲間の鳥とのつきあい方等の厳しい自然界で生きてい行くための知恵を獲得する、いわゆる“社会化”のための重要な学習の時期を過ごしています。

親鳥は必ず近くにいて、ヒナを見守っています。しかし、この巣立ち直後で、ひ弱な飛行状態のヒナをみなさんが目にしますと、ヒナが弱っていると勘違いして、誤って保護してしまいます。
これは誤認救護あるいは誘拐と表現されます。この時期のヒナは非常に重要な時期を親鳥と行動をともにして将来独り立ちできるように学んでいます。
誘拐して、病院に持ち込むことは、この貴重な“社会化”の時期を失ってしまいます。保護下では、こうしたことは全く学習できません。
獣医師は巣立ちビナを飛行できるまでうまく育て上げることはできます。しかしただ飛べるだけで自然界の厳しい環境下に放鳥すれば、餌の在処が判りませんから、たちまち餓死することでしょう。
危険回避の要領が判りませんから、たちまち他の動物に捕食されてしまいます。誤認保護はしてはならないことなのです。助けたつもりが、かえって遠回りの死につながっています。

  では、うまく飛べない鳥を見つけたときはどうすれば良いでしょうか。もし道路等で車にひかれそうな時は、近くの木の手が届く高さの枝に止まらせてください。そして直ちにその場を離れて下さい。親鳥は近くにいて、あなたが立ち去るのを待っています。次の日もその場にいるようなら保護することも仕方のないことでしょう。


 
 
おかあさんが見てくれているよ
ぼくをひろわないでね